今回は鎌倉殿の13人の源実朝の同性愛についてとりあげます。
2022年10月16日放送の「鎌倉殿の13人」では源実朝が同性愛らしいことを正妻の千代にカミングアウト。その対象は北条泰時という話でBL展開が切なすぎると話題になっています。
そう言われてみればあれやこれやと実朝は実は泰時が好きという伏線があったんだと思わせられます。
三谷幸喜さんの脚本はやはりすごいと思わざるをえません。
そんな源実朝ですが本当に同性愛者だったのでしょうか?そういう史実はあったのでしょうか?
気になったので調べてみました。
【鎌倉殿の13人】源実朝が同性愛で泰時が好きというBL展開が切ない!
2022年10月16日の「鎌倉殿の13人」のタイトルは「穏やかな一日」。今回は死人も戦もありませんで比較的穏やかとは言えますがいろいろ今後の火種が巻かれていました。
そして一番話題になったのは源実朝の北条泰時に対する同性愛。
まず最初に源実朝の和歌が紹介されます。
大海の磯もとどろによする浪われて砕けて裂けて散るかも
それとは別の歌を源実朝が泰時に対して渡します。
はるかすみたつたの山の桜花おほつかなきをしる人のなさ
そして泰時に返歌を求めます。歌を前にして筆をとって返歌に悩む泰時。
この時点で視聴者はまだ何もしらないので、ああ泰時は粋なこととは無縁の朴訥な人物で和歌の素養とかないので苦労しているんだなと思います。
中盤には泰時が幼なじみの鶴丸が弓で的を撃ち抜いた時に抱き合って喜ぶのを見て微妙な表情になる実朝や、鶴丸を御家人にしてほしいという義時の頼みを断る実朝のシーンが入ります。
この時点でも視聴者は義時との政治のゴタゴタの一つだと、まだ実朝の真意に気づきません。
そして千代に自分のことが気に入らぬなら側室を持って欲しいといわれるシーンの実朝。実朝は千代に自分の気持ちをカミングアウトします。自分は女性とは関係が持てない、その気になれないという告白で千代に慰められる実朝。
このあたりで視聴者は「え?もしかして実朝はゲイをカミングアウトしたのか?」と思います。
そして、実朝の歌が書かれた紙を持って佇んでいる泰時に、源仲章が声をかけます。源仲章は歌を見て解説をしてくれます。「この歌は恋の歌」だよ。
源仲章は泰時にイケてる歌を送り合う雅な恋人がいるのかとちょっと見直した感じで「誰の歌」と聞きますが、泰時は答えずに立ち去ります。
ここで視聴者は実朝のゲイの相手は泰時だったのか・・・恋の歌を送って返歌が欲しいって・・・と真意に気づきます。
しかし泰時は「この歌は恋の歌で間違ってます」と実朝に歌を返しにいきます。
実朝は「そう、間違っていた」と答え、冒頭の歌を変わりに渡します。
大海の磯もとどろによする浪われて砕けて裂けて散るかも
これは海がすごいなあと自然を詠んだ歌と思っていましたが、片思いが盛大に砕け散ったという歌だったということになります。
めっちゃ切ないですね。Twitterも実朝の気持ちが切ないと大騒ぎになっていました。
すごい盛り上がる脚本ですが史実でも実朝は同性愛者だったのでしょうか?気になったので調べてみました。
源実朝は同性愛者(ゲイ)説は本当?史実から真相を調査!【鎌倉殿の13人】
源実朝が同性愛者だったという史実の記録は特にありません。基本的には脚本家の三谷幸喜さんの創作だと思います。
ただし全くの創作というわけではなくいくつかの史実を重ねて想像していると考えられます。
第一の史実ポイントは鎌倉幕府の初代源頼朝から6代将軍までの歴史を書いた「吾妻鏡」に以下のような記述があるからです。
これは心配してくれるのは持っともだが、自分には男子が生まれないので源氏の血統は絶えてしまうから、官位を上げて家名をあげようとしているのだと答えているからです。
この発言は24歳の時だということですので、男子が生まれないと決めつけており、他の人も諌めていないし、実際子どもができなかったので、実朝は何か性的に訳ありなのではないかと考える人が多かったようです。
また政子が皇室にはたらきかけて養子をもらおうとしていた動きもあったそうです。
そして正妻以外に側室は持たなかったという謎もあります。
正妻もおり側室もよりどりみどりだったと思うので、なんらかの性交渉ができない問題を抱えていたのではないかと考えられています。
- 天然痘(疱瘡)による不能説
- 同性愛説
ということで実朝同性愛者説というのもあったようですね。
三谷幸喜さんはこれを実朝が同性愛者で女性に対して性的な交渉がどうしてもできないという結構現代的な設定で、特に北条泰時が好きだけど、片思いで成就できないという切ないBL設定を持ってきています。
しかしこの時代、歴史の書物にも同性愛の記述が出てきますし、当時の日本は特に男性の同性愛に対してあまりタブー意識はなかったようですので、同性愛者だったらそんな記述もでてきてもおかしくないと思うのですが、実朝に関しては同性愛的な記述はありません。
ただし、もし実朝の同性愛の対象が泰時だったとしたら、ただでさえ御家人達が北条ばかり取り立ててと不満をつのらせている鎌倉でもし北条泰時が源実朝の同性愛的な寵愛を受けていたとすると、結構問題になって悪評がプンプン流れるので、やはり其の気があっても実朝も泰時も同性愛的な関係を持つことがでなかったのではないでしょうか。
というわけでまとめると源実朝が泰時に秘めた同性愛的な思いを持っているというのは現代的な解釈でドラマとしてはなかなかおもしろいですが、史実では特にそのような記述はありませんでした。
鎌倉殿の13人の実朝の同性愛の他の伏線
鎌倉殿の13人で実朝が同性愛者だという思いを抱えていたという伏線はこれまでもあったのか調べてみました。
調べてみると実朝が同性愛ではないかというのは視聴者から前々から指摘があって伏線がいろいろあったようですね。
【第34話】「理想の結婚」
- 実朝が縁談に対して「私はやはり、そのお方をめとらねばならないのか。後戻りはできぬということか」といい泰時を切ない表情で見つめる
- 実朝が泰時に「妻はいるのか」「仲はいいのか」と尋ねるシーン。実朝の声が震えてる?
【第35話】「苦い杯」
- 終始結婚に対して浮かない顔の実朝
- 歩き巫女に悩みを打ち明け「お前ひとりの悩みではない。はるか昔から同じことで悩んで来た者がいる」と告げられて実朝が涙を流す
ということで今まで視聴者をミスリードしつつ、一言も泰時が好きと言わないのに視聴者に一瞬でわからせてしまう三谷幸喜さんの脚本に驚嘆しました。
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